マンションのリフォーム・リノベーション、新築戸建はハンズデザイン一級建築士事務所|千葉県 船橋市 東京

ブログ完成見学会

北綾瀬Fさんの家ブログ見学会

こんにちは。

先日完成見学会を行った北綾瀬Fさんの家の恒例ブログ見学会です!

ここで少しプランのおさらいを。
Fさんの家はもともと3LDK80平米の間取りでご家族4人暮らし。
子供達は高校生と小学校高学年となり、一人部屋が必要な年頃です。
旧3LDK→新3LDKへつくりかえるリノベーション計画です。

Before
旧3LDK

After
新3LDKプラン

同じ3LDKと部屋数は変わりませんが、開放的なキッチンで家事動線を使いやすくし、
広すぎた個室を全体のバランスの中でコンパクトに、玄関を4人家族用に広げ、
家族の収納がたっぷり入るクローゼットルームをあらたにつくりました。

玄関から入った風景。

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見学会で『なぜ勾配天井にしたのですか?』という質問をたくさんの方から受けました。
最初の計画では、実はルーバー天井の玄関になる予定だったのです。

現場がはじまり、もともとルーバー天井を希望していたキッチンで懸念していた障害がなくなり、
採用できることがわかったので、さて、玄関はどうしよう?ということになりました。

現場に立って感じたのは北側の明かりをどうにか玄関に取り入れられないかということです。
広々とした玄関でただただ天井が高いというのも少し味気ない空間になりそうでした。
高い天井からは光が入り、ガラス引戸上部にある大きな梁に向かって天井を低くする勾配天井がいいのではないか。
現場で自由に発想を広げることができたことで、新しいアイディアが生まれました。

想像していた以上に勾配天井の高窓から光が漏れ、とても気持ちの良い玄関空間になりました。
仕上げはツガという材料の羽目板で、濃淡の少ないシンプルな樹種です。
ちょっとラフな楢材(なら)のフローリングとの相性がとてもいい感じです。

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玄関は家の顔でもありますが、コートや帽子など雑多になりやすい場所でもあります。
有孔ボードでフックがつけられる壁をつくり、その横にはたっぷりした奥行きのある収納があるので大きなもの、例えば生協の箱などが入れられます。

玄関収納

すっきりとした印象のタイルは名古屋モザイクさんの600角タイルです。

反対側には靴収納と子供室への入り口があります。

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Fさんの家はもともと壁に沿ってあったユニットバスの向きを変え、壁から離すことで家事動線を生み出しています。
図面だけ見るとユニットバスが部屋の中心にあるレイアウトはちょっと不思議な感じがします。

玄関からリビング側へ進む。

玄関からリビングへ

グレーのアクセントの壁が、ユニットバスを囲っている壁です。
カラーワークスさんの塗料でソフトスウェード仕上げです。
1回目はローラーで塗り、2回目に刷毛で荒らしながら塗ることで、刷毛の模様ができ少し立体感が生まれます。
とてもマットな風合いに仕上がり木の空間にとてもよく合うので、最近よく提案します。

キッチンからユニットバスを眺める。

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開閉式の小窓は、採光と通風用です。

キッチンから洗面への動線

キッチンと洗面所がつながり、裏動線ができることで、見えない収納場所がたくさんできました。
食品のストックを置く場所、ダイソンのスティック式掃除機や洗面近くはタオル・下着類を収納する場所。
よく使うものを収納する場所は開けっ放しにできるというメリットは大きいです。

リビングの隣にある主寝室は、寝るだけのスペースと割り切りダブルベッドが置ける最小限のスペースです。

リビングから つながる

使っていない時は、もったいないので小窓を開け広がりを感じられるように。
壁が天井までいっていないのも同じ考えで視覚的な広がりをもたせることと、
夏はリビングの空調で主寝室までまかないます。

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トイレは扉で閉めてしまうと、他の空間とインテリアの印象をガラっと変えたり遊びを入れられる場所です。
Fさんはシックなグレーの壁紙に、鮮やかな赤いモザイクタイルを選びました。
カウンターはウォールナットの耳付き無垢材。便器もグレーを選んでかっこいいトイレ空間になりました。

トイレ

リビングからダイニングキッチンを見る。

キッチンを見る

Fさんの家の天井ルーバーは米ツガという樹種です。
タモよりも少しオレンジっぽい優しい色合いになります。樹種はまわりの雰囲気によって使い分けます。

ダイニングテーブルはikeaの脚にシナ共芯合板を乗せて固定しているだけ。
本来は置くだけの商品ですが、子供がいる場合は危ないので、脚と天板を固定することをオススメします。

オープンキッチンは機能的であると同時にいろんな角度から見て美しいことが求められます。
大谷石をアクセントに、タモの突板に5mmくらいの目地を十字にとったシンプルなデザインとしました。

キッチンデザイン

グレーのデザインタイルなど、周りに主張する要素がある場合には、
デザインの引き算でキッチンはシンプルなほうがいい場合もあります。

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オープンキッチンには食洗機が必須です。
いつものASKO食洗機が大きな扉におさまっています。
共働きが多い今の時代、食洗機は洗濯機と同じような感覚で家庭の中に導入してもらいたいと思います。

これもお馴染みの洗剤ポケット。

洗剤ポケット

キッチンでいつも苦労するのが、ゴミ箱問題。
生ゴミ、ビン・カン・ペットボトルなど結構場所を取るんです。
使いやすく、見た目美しくどこに置くか。
今回は目立つ場所にあったのでこんな提案になりました。

Fさんの家ゴミ箱

既製品のフレーム(分別ダストワゴンtower)にまわりの家具と同じタモの扉を家具屋さんにつくってもらいました。
スーパーのビニール袋が3つ引っ掛けることができ、下には車輪が付い動きます。

ビン・カン・ペットボトルのゴミ箱

上の写真が、ビン・カン・ペットボトル用。
下は45Lのゴミ袋が使用できる大きさです。

その他のゴミ箱ゴミ箱の上がオープンになっているので、捨てる時はワゴンを動かす必要がなく、ごみを処理するときに前に引き出して使います。

炊飯器を使うときだけ引出して使うトレーです。

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Fさんの洗面スペースはヘリンボーンの少しブルーが入ったタイルがアクセント。平田タイルさんの輸入タイルです。

洗面スペース

最後に子供室と家族のクローゼットへ行ってみましょう。

玄関から入った真正面のドアを開けたところ。

家族クローゼット

家族全員が使うクローゼットです。
各個室には制服やコートなど日常的に使うものが少し置ける程度で、メインの収納は一箇所で考え、
そうすることで洗濯物を各部屋に配る負担を減らしてくれます。

子供室への扉はホタテ塗装の壁に馴染むように、白をベースに木のアクセント取手にしました。
隣の下駄箱が全てタモ材で引き戸も同じ素材にすると木の面積が多すぎるので、白い素材でバランスを調整します。

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高校生になるお姉ちゃんの部屋。
子供部屋の床材はパイン材でコスト調整、明るい子供部屋になりました。

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小学生の男の子の部屋。
ぞうさんを数えていたら眠れなくなりそうですね(笑)

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Fさんの家は、どこにいてもいろんな方向に視線が抜ける場所があります。
欄間ガラスから見える天井に板張りもちょっとした安らぎを感じさせてくれます。

お引き渡しして1ヶ月ほど経った頃に、Fさん宅を訪れる機会がありました。
快適なのでお休みの日もあまり外出をしなくなったとおっしゃっていました。
自分たちのために自由につくった住まいで過ごす時間は、どこに行っても手に入れることのできない、
心地よく贅沢な時間の過ごし方だと私も日々実感しています。

少し落ち着いたら、また撮影に伺わせてくださいね!

船橋のSさんの家ブログ見学会

こんにちは!

昨年の秋に行ったSさんの家の見学会のブログ版です。すっかり遅くなってしまいました。

船橋市の築18年69㎡のマンション、4人家族の住まいです。便利な立地にたつコンパクトなマンションです。

コンパクトな中に子供2人のプライベートなスペースと主寝室を確保しつつ、できるだけ明るく伸びやかな住まいにすることが課題でした。プライベートなスペースが多いと自然に閉鎖的で暗い方向になってしまうからです。

そこで、できるだけ連続するように、また透明感のあるようにすることを心がけました。

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玄関ドアを開けると正面の大きな乳白色の窓から明るい光が迎えてくれます。この窓の向かう側は主寝室で、その先にある窓からの外光を玄関まで届けています。

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玄関の柔らかい光の雰囲気です。この窓がなく、壁だったとしたら全く異なる雰囲気だったでしょう。室内から室内への窓でも、光や風、気配を届ける効果は十分にあります。また、窓の大きさ、ガラスの種類、開閉の方法などによって効果を調整することができます。

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玄関の上がり框。実は私たちがいつも慎重になる場所です。あまり境界線を感じさせないような、さりげなく出入りできる感じが理想的だと思っています。

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リビングへの引き戸。冬や夏の一番厳しい時期に空調範囲を狭めるためのドアですが、閉めているときには少しアクセントになるようなデザインにしています。

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普段は必要がないので壁の中へ。

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日差しがたっぷりと差し込むダイニング・キッチン。アイランドキッチンの隣にダイニングテーブルを置く予定です。2列型のキッチンは配置的にコンパクトでありながら、動きがとても自由です。キッチンの左手奥は家族のクローゼットスペースと洗面室など、家事の動線が続き、玄関へとループしてつながっています。濃紺の壁の中はユニットバス。その周りを一周できるプランです。

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ルーバーや名栗、タイルなど様々な素材の陰影と艶がとてもいい味を醸し出しています。キッチンのカウンターに使っている4mm無垢のステンレスがさりげなくいい仕事をしています。

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キッチンなど水まわりの床はフロアタイルと言って、厚さ3mmの塩ビのタイルです。土足OKな丈夫さと、適度な弾力性があります。手間がかかりますが目地棒を入れことでぐっと表情が良くしています。クッションフロアとは違いますよ。

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ナチュラルな雰囲気ですが、性能はハイスペックです。忙しい現代人に必須の食器洗い機はASKO製です。

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キッチンの収納です。片引き戸になってます。上部の白いルーバー内部にエアコンを設置します。

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子供スペースの壁に少しアクセントの遊びを入れてみました。向こう側にはロフトベッドがあって、リビングを上から覗けるようになっています。

左上のライティングレールには写真のようなフックの部品もあり、植物をハンギングしたりと楽しく使えます。ちなみに、植物を吊っている長い針金のことを「駄鉢掛け」と言います。名前がわからなくて探すのに苦労した経験があります。

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フローリングの一部が外れて、下からコンセントとLAN配線が出てきます。フローリングはチークの無垢です。

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主寝室の片隅には机が置かれてちょっとしたワークスペースになる予定です。そう、ここが玄関正面の裏側です。右の引き戸上部と天井の間は、天井裏の収納スペースになっています。年に一度だけ使う大きなものってありますよね。

船橋のSさんの家のブログ見学会は以上です。いかがでしたか?

見学会にご参加いただいた方々は大きなことから細かなことまで、こんなこともできるんだ、こんなやり方もありなのか、と様々なヒントを見つけてくださっていたようです。

本当の空間も体験しにぜひお越しくださいませ。

ではまた。

ブログ見学会「根津の家」

こんにちは!先日の見学会のご報告です。

天気も良くて2日間で25組の方がご参加くださいました。
皆様、ありがとうございました!

さて、恒例のブログ見学会です。

文京区根津の築15年65㎡のマンションです。経緯など「こちらのブログ」もご覧ください。

このマンションは変形のL型で中庭のようなルーフバルコニーが最大の特徴でした。斜めに振られていたため設計は苦労しましたが、ダイナミックな雰囲気になっています。

玄関ドアをあけると透明感のあるガラスの部屋を通して中庭テラスとその向こうに空が見えます。撮影の日は少し曇り空の条件でしたので写っていませんが、本当にスカイツリーがみえます。

壁は玄関まわりだけ一部左官仕上げ、他は全てホタテ塗装です。

I邸では造作にアルダーの無垢を選びました。桜に似た赤味がかった穏やかな木目の美しい木です。この下足入れではカウンター、扉ともに無垢で作っています。真鍮のつまみは「かなぐや」のもの。

土間にある引き戸はトイレのドアです。下足入れにデザインと仕上げを合わせています。

トイレを使うときはお店のように草履に履き替えます。これによって土間に広がりが生まれます。土間は小さな石のモザイク貼りで石畳のような雰囲気です。上框は杉無垢材の一枚ものをカーブ状にカットしています。

このトイレにはさらに特別感が加わっています。それがこのステンドグラスです。Iさんがご近所の谷中にある工房「nido」さんに注文したものです。月のモチーフが神秘的です。なぜかいつもトイレのデザインは力んでしまいます。トイレだけに。

名栗加工のアルダーのカウンター。ランプの光で陰影が素敵ですね。壁を彫り込んだところにステンドグラスが埋め込まれています。とても印象的で特別な雰囲気のトイレ空間です。

玄関から右を向くとオープンなリビングとキッチンのスペースです。

キッチンはオリジナルで、アルダーと大谷石、ステンレスのバイブレーション、ハンドルは真鍮製(かなぐや)です。

キッチンは住まい手の暮らし方が出やすいですが、本当にIさんらしいな、と思います。洗剤やスポンジはトレーにのせてオープンなポケットに置きます。ざるなど湿気が飛びにくいものを収納する場所はルーバー状にして通気が取れるようにしています。

作業台はアルダーの無垢、壁はモルタル左官です。コンロまわりのみステンレスカウンターと壁もカラーガラスにしています。魚焼きグリルの無いコンロはとてもすっきりしています。カウンター下は元から使っている家具を置く計画です。本当にシンプルです。背の高い収納部には給水タンクと炊飯器が置かれ、その奥は冷蔵庫スペースとパントリーがあります。

大谷石の独特の存在感です。家具が当たらないようにつけた木製の横桟がアクセントになっています。

モルタルの淡いむらのグラデーションが穏やかな表情です。

Iさんがお持ちの家具に合わせて繊細な雰囲気の飾り棚を造作しました。モルタルの壁に木の優しさが際立ちます。

床は杉の無垢フローリングです。独特の明るい雰囲気で大谷石との相性はバッチリです。

中庭テラスに面した縁側スペースは四方をレッドシダーの羽目板で囲んでピクチャーウインドウのようにしています。居心地良さそうな雰囲気、伝わりますよね。

通風のために窓を開けることが多いので、猫が外に出ないようにアルミのエキスパンドメタルの扉を設置しました。その隣のルーバーパネルは室外機隠しです。

アトリエはご夫婦が趣味で革小物やフラワーアレンジなどをするための作業スペースです。小さな窓のある小さな壁で少し奥まった雰囲気の落ち着く小屋のような場所になっています。小さな窓ひとつで変化が生まれるのでおもしろいですね。

この可動棚の下に作業台を置きます。小さな窓で切り取られる風景が面白いです。

浴室はハーフバス(TOTO)です。壁はタイル、天井はレッドシダーです。

シャワー水栓はフォンテトレーディングです。普通ならシャワー水栓が付く場所には、屋外用の散水栓をつけて中庭テラスの水やりホースをつなげるようにしています。

引き違いの内窓はピーラー(米松)を使っています。

ガラスドアは造作で、ステンレスの敷居も特注しました。それにしてもスカイツリーの眺めがすごいですね。

洗面は周囲にゆとりをつくって置き家具を使うことにしています。仕上げ検討でなかなか決まらなかったのが、水まわりのタイルですが、浴室、洗面の床、壁ととても調和がとれていました。よかったです。

見学会にこられた多くの方々はとても感動してくださいましたが、同時に収納などの機能部のシンプルさと少なさに驚いている方も多かったようです。誤解のないようにしておきたいのですが、Iさんと私たちはしっかりと検討を重ねています。Iさんにとっては、このシンプルさこそが大切だったということをご理解いただければと思います。オーダーメイドで住まいをつくると住まい手の意識が反映されるということですね。

実際に暮らしが始まるとガラッと雰囲気が変わるので、私たちはとても楽しみにしています。Iさんにも撮影許可をもらっていますので、皆さんもお楽しみにしていたくださいね!

今年最後のブログ見学会

こんにちは!いよいよ今年も終わりですね。
2015年はどんな年でしたか?
ハンズデザインはたくさんの方との出会いがあり、とても良い仕事をさせていただきました!
ほんとうにありがとうございます!

先月お引渡した、築29年83平米のタワーマンションでのお仕事が今年最後となりました。
見学会に参加できなかった方のために完成写真をご紹介します。

家族構成はご夫婦2人と1歳の男の子との3人暮らしです。
将来の変化にも対応できるようになるべく広々とした部屋を残したつくりかたをご提案しています。

玄関アプローチからの風景。

マンションでは多くの場合、玄関に窓がありません。その先の光をできるだけ取込めるようにいつも考えます。
先が真っ暗な行き止まりより、先が明るいと安心しますよね。

玄関引戸は透明にして、ここでは冷暖房の効率をあげることを目的としてます。

ここで間取りのおさらいです。
キッチンを中心にぐるぐる回れるストレスのない動線です。
家の中心にある構造の柱(キッチン背面)を境に、図面の上ゾーンがプライベートの部屋に今後変化していくスペースです。

玄関隣のシューズインクローク。

こんなに贅沢で広い玄関はなかなかマンションではできないかもしれません。
メインアプローチをきれいに保つために、ベビーカーなどなんでも入れられる場所を隣につくりました。

玄関からリビングへのアプローチ。

リビングへ向かう途中に、ちょっとした坂(スロープ)があります。
この坂は『行ったり来たり』したくなる坂なんです。(笑)

杉フローリングに滑らないための凹凸を家具屋さんにオーダーしてつけてもらいました。
歩くたび足裏マッサージの感覚でとても気持ちがいいですよ!

床の構成は2重床という床下に空間がある方法です。
キッチンの配管は床下を通ってトイレ脇のパイプスペースにつながっています。
配管が通る床と、そうでない床では6センチほどの段差がありそこがスロープになっています。

この家の顔であるオリジナルキッチンは、マホガニーのルーバーと大谷石でデザインをしました。
ルーバーにすることで木部に立体感と表情がでます。
この家の中で際立った存在感を出しています。

定番のASKO食洗機も!


平田タイルさんの輸入タイルがアクセントになって、このキッチンの雰囲気を引締めてくれています。

棚板の後ろは、普通の壁にする予定だったのですが、気持ちよい光が入ってくるのを遮るのがもったい!
ということで急遽ガラスの壁をつくりました。

ダイニング背面にある日中使用しない個室を、壁で完全に閉じるのではなく、
使うときにカーテンやブラインドで一時的に閉じ、普段はリビングダイニングの一部として、
一体感を持って使えるようにガラスのパーティションで仕切っています。

アイアンという硬質な素材が入ると、まわりの柔らかな素材との変化がでて空間のアクセントになります。

本棚とテレビ台背面の壁は、カラーワークスさんのソフトスウェードという塗料でアクセントをつけています。
ブルーグレーな壁が杉の床の暖かい感じと対照的で、いい相性ですね。

全体の壁はホタテ塗装というホタテの貝殻を砕いてできた粉末からできる天然素材の塗料です。
表面のマットな仕上りと、 柔らかい色合いが特徴で、汚れたら塗り重ねられる気軽さもあり、一番オススメしている壁材です。

オリジナルのテレビ台も新しい試みで、木とグレーの扉材のデザインにチャレンジしています。

洗面所からキッチンを見る。

洗面所は、定番でご提案しているTformさんのW75㎝でたっぷりと深さのある陶器製洗面器と
壁出し水栓の組み合せがオススメです!

上部の丸い筒は、キッチンレンジフードとお風呂のダクト配管です。
ふつうは天井の中に隠れて見えないものですが、そのかわり天井に低い部分ができてしまします。

何もしないままだと金属管が見えて違和感があったので、天井と同じ色のテープで巻いてみました。

幅1間半の収納は、一部を2段式にできる可動パイプにして、洋服や子供の成長に合わせて、
住んでいる人が簡単に変えられる収納計画になっています。

 

Sさんの住まいは出会ってから6ヶ月という短期間で、とてもまとまりよく出来上がったと思います。
これから、いろいろな工夫を凝らして変化していく住まいを私たちも楽しみにしています。

来年は2月ごろ千葉県習志野市で見学会を予定しています。
すでに着工していますが、まだブログが追いついていません。。。

来年はできるだけタイムリーなブログをあげるのが目標のひとつです。

ではみなさま、少し早いですがよい年末をお過ごし下さい!

 

ブログで完成見学会!

こんにちは。

昨日は市川市本八幡のマンションリノベーション完成見学会でした。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!全部で12組のお客様がご参加くださいました。40分ずつくらいしか時間がなくて、お話があまりできなくて申し訳なかったです。

ご参加出来なかった方々のために少しだけ写真で雰囲気をお伝えしたいと思います。

お施主様のWさんご家族と一緒につくった住まいは、落ち着いた大人の雰囲気になりました。ハンズデザインの見学会に何回も来てくださっているお客様は「こんな雰囲気もあるんですね!」少し驚かれていました。日本の住宅イメージの中ではこれだけグレーを多用した住まいは少ないかもしれません。生活の雰囲気が加わるとガラッと印象が変わりますよ。

Wさんとのお打ち合わせは、いつまでに…という期日がなかったので1年以上になりました。それだけ「こんなことしてみたいな」「こんな風にしたら素敵だろうな」という想いがたくさん詰まっています。

壁と天井の仕上げのベースはクレイペイントという塗装です。その名のとおり、クレイ=泥の材料ですので、さらっとマットな光の反射がやわらかいです。完全な無彩色ではなく、、やや暖色を含んでいるのでまわりの木部との融和が良い感じです。アクセントになるように色や艶感を変えている壁はお施主様のWさんのセルフペイントです。以前からポーターズペイントを愛用されているのでプロ顔負けの仕上がりでみんなびっくりしていました。
濃い目の色合いのフローリングは、ブラックウォールナットの無垢材です。細長い形状なので寄木のような変化がおもしろいですね。リビングには床暖房も敷設しています。もちろん床暖房対応のフローリングです。天井、ドア、ルーバーなどの明るい色の木部はタモの突き板や無垢材です。

キッチンは、水に濡れたり、毎日のお手入れが欠かせない場所ですし、リビングの一部としてデザインも一番気になるところですので、様々な素材が投入されました。床は60cm各の大きな磁器質タイルで自然な風合いがあります。オーダーメイドのキッチン本体はは手元が隠れるようにしています。床と接する部分には大谷石、正面はポーターズペイント、カウンターはデュポンコーリアンを載せています。作業面のカウンターはステンレスバイブレーションで、立ち上がりの壁にはカラーガラス、レンジフードの下には透明の強化ガラス、側面の壁にはタイルが埋め込んであります。キッチンの背面は4枚の引戸になっていて、開けると奥行き70cmの収納になっています。冷蔵庫も格納しています。
均質でフラットな雰囲気になる塗装仕上げがメインになるため、変化のでる木のルーバーや大谷石、天井の突き板仕上げなどが活きていると思います。

洗面室の床の六角形の磁器質タイルは、少しムラのある柔らかい印象でとても良かったです。洗面カウンターはサイルストーンという人造の石です。正面の壁はガラスモザイク、その横のステンレスフレームのガラスケースは今回デザインしたオリジナル。お施主様の洗濯機はビルトインタイプでASKOの商品でした。

ルーバーの壁にあわせてデザインしたタモ無垢のルーバーでつくった収納扉です。ルーバーになっているのにはもうひとつ理由があって、上の2/3は収納で、下の1/3はワンちゃんの部屋になっています。もしかして暗いんじゃないかなと思って、犬の気持ちになって僕も入ってみたらちゃんと光も入ってリビングの様子も見え、とても居心地が良かったです。鉄扉で使う丁番を使っているのでがっちりしていて軽く開閉できます。

ドアや家具のハンドルはアクセントになって、雰囲気を決めるポイントなのでいつも注意していて、良いものが見つからなければデザインするようにしています。キッチン本体が清掃性を考慮してメラミン化粧版になり、無機質な印象だったので木製のハンドルにしたかったのですが、繊細なデザインのものがありませんでした。タモの無垢材とスチールでデザインした自信作です。もしかして僕と同じことを考えて探している人もいるかもしれないですね。樹種や色、長さなどご希望に応じて作ることができますので、ご相談ください。

玄関を入ると正面にみえるリビングに入るドアです。引戸で、壁の中にすっぽり入ってしまいます。木製ですが野暮ったくない繊細で透明感のある雰囲気にデザインしました。

ハンズデザインは住まい全体の雰囲気をつくるポイントになると考えて、キッチンや洗面、収納などの家具や建具をいつもオリジナルでデザインして製作しています。こうして説明していると、支えてくれている腕の良い職人さん達のおかげだなぁとしみじみ感謝の気持ちが湧いてくるのでした。

お施主様がお引越しされて暮らしが落ち着いたころにお邪魔してまた写真を撮らせてもらったらご報告します。と、いつも申し上げているのですがいつになることか…。腕の良いカメラマンさん、いらっしゃいませんか?

 

10月末にも都内でマンションリノベーションの完成見学会を予定しています。築30年ぐらいのタワー型マンションです。ご参加をご希望の方はお問い合わせページからお申し込みください。日程など詳細が決まりしだいご連絡させていただきます。

お待ちしてます!