こんにちは。
2023年もひと月が過ぎ、時が経つ速さに少し焦りを感じるこの頃です。
一年分のカレンダーに予定を入れいていくと、ありがたいことに今年も忙しくなりそうな予感がしております。
1月には2件、今まで計画を温めていた恵比寿Sさんと南葛西Kさんのお宅で工事が着工いたしました。
4月下旬と5月中旬ごろにまた見学会を開催いたしますので、楽しみにしていてくださいね!
(2週間前くらいにInstagramやホームページで告知いたします)
さて、2022年の年末に見学会を行った、船橋Nさんの家もたくさんの方にご来場いただきました。
忙しくて来れなかった方のためにここで改めてご紹介したいと思います。

Nさんは小さい女の子がいる3人家族、もともと東京にお住まいでしたが、ここ数年の暮らしの変化などがあり、しっかりとした広さの書斎スペースが取れる物件を探していたところ、縁があって船橋市の築21年103平米の中古マンションに巡り合いました。
もとは4LDKの間取りです。

このマンションは大きなコンクリートの柱と梁で構造が構成された、鉄筋コンクリート造でお風呂の横にコンクリートの構造壁があるつくりでした。
新しい間取りです。

玄関を中心に、図面右側(南向き)がみんなで過ごす広いLDKと水回り、北側は将来の子供部屋と主寝室がある静かな場所というゾーニングになっています。書斎(スタジオ)はリモートワークで日々過ごす場所になりそうだったので北側にはつくらず窓を介して暖かい光が入ってくる場所に設けました。
前置きはこれぐらいにして、Nさんの家を巡ってみましょう!

玄関を開けると最初に飛び込んでくる風景です。ランダムな板張りに木目が透ける程度にグレーの塗装をのせて、天井と床の木とは違う印象になるように仕上げを選びました。玄関は家の顔になるので、最後の最後までみんなでサンプルと睨めっこしながら試行錯誤したところです。
板張りの背後にはトイレと収納が隠れています。


トイレはグレーの塗装と間接照明でまとめ、落ち着いた気分で過ごせる場所になりました。あえて残したコンクリートの壁も、ユニークなトイレを演出しています。
奥に見える小さな取手は観音開きの収納になっていて、傘や来客用スリッパ、重い水のストックなどが入る場所です。

開放的な玄関はそのままLDKへと繋がっていきます。

新居ではたくさんの植物に囲まれて暮らしたいというご要望があり、バルコニー沿いの床は幅60cmのところまでタイルの仕上げにしました。真南に向いているバルコニーからは朝からたくさんの光が降りそそぎ、床に貼ったタイルが太陽の熱を蓄熱して、冷たいはずのタイルが意外と暖かいという思わぬ効能に驚かされました。

この大きな白い引き戸の右側は日用品収納ですが、左側は小さなデスクと本棚になっています。

子供がリビング学習をするとき、ダイニングテーブルを学習スペースにすると食事の時に一度片付けなくてはならないという手間が発生するため、専用スペースがあると学習効率もアップするはず!お子さんが大きくなるまでは、大人のリモートワークスペースとしてもしばらくは使えそうですね。

キッチンの天井はツガの羽目板を張り、食器棚の先にある洗面脱衣室の天井まで貼ることで視覚的に空間の奥行きが増します。

キッチンはシンクとコンロが別の列にある、2列型のキッチンです。タイルは名古屋モザイクのシンプルな二丁掛けタイルを選びました。

調理器具はコンロとIHが一体となったハイブリッドタイプ。クリナップから発売されたものでコンロの左右は選べます。
いいとこ取りで、スッキリしたデザインがいいですね。

キッチンの水栓はデルタ社の、タッチ水栓。名前の如く水栓のいろんなところをタッチするだけで水が出たり止まったりする優れもの。赤外線ではなく静電気に反応するタイプです。

食洗機はおなじみスウェーデンのASKO社のものを採用。容量がたくさん入ることや排水溝の自動洗浄があるところが特にいいですよ!

洗面所の間仕切りを兼ねた大きな家具は、上から食器棚、家電収納、ゴミ箱収納となっています。
食器棚の背面はガラスでできていて、できるだけ透明感を残して大きな家具の威圧感を減らすように考えました。

洗面室はキッチンのすぐ横にあるので、忙しい時間帯はながら家事ができて便利です。
木のフレームがまわった鏡収納が夢だったという奥様のために、家具屋さんでオリジナル製作いたしました。
毎日使う場所は気に入ったものに囲まれて暮らせると、幸せも倍増します!優しい素敵な雰囲気の洗面所になりました。

カウンターは水汚れにも強いサイルストーンを採用。モルタル風で木との相性もばっちりです。

洗面の横には1620サイズのお風呂があります。グレーと黒と白で統一されたモノトーンのユニットバスがかっこいいですね。
最近はリクシルを選ぶ方が増えてきた印象です。理由は様々ですが、デザイン頑張ってます!

洗面脱衣室の天井には室内物干しスペースがあり、その手前にある木の枠は引き戸の鴨居です。ここで扉が閉まるようになっています。

印象的な照明は、ニューライトポタリーのSETという名前がついたブラケット。

振り向いた先には大きな透明ガラスが入ったオリジナル引き戸が入り口になっている書斎があります。
ここがこの家で一番こだわりが詰まった場所かもしれません。

リビング側にも光を取り入れる大きな窓をつけました。

ジャーン。
4畳半くらいのこのスペースは、書斎や楽器を演奏する場所と植物を育てる場所の2部構成になっております。
手前がワークスペース、床がタイル仕上げになっている部分からは趣味のビカクシダを育てるスペースになります。

とても不思議な異空間、壁一面ビカクシダの栽培畑です!
木製フレームとエキスパンドメタルでオーダー製作した、ビカクシダのための場所です。隅には間接照明を入れてビカクシダたちをライトアップ。天井からは植物専用のLEDライトを太陽光のリズムでタイマー設定して光をあてる予定です。
なんと幸せなビカクシダ達でしょうか。スクスク育ってほしいものです。

こちらが書斎スペース。座りっぱなしはよくないということで、電動昇降式のワークテーブルとなっています。
FLEX ISPOT電動昇降の脚とリノリウムのデスク天板を組み合わせて製作しました。
電動昇降は感動するぐらいスムーズに動くのでぜひ動画でみてください。
リモートワークの方必見!
どうですか?このスムーズの動きに感動しました!
私たちも欲しくなってしまいました。

ワークスペース背面には、電子ピアノが将来おさまる場所と大容量の収納があります。

玄関土間に設けられた水場は、帰ってきて手洗いもできますが
ビカクシダ用の給水スポットです。ここでたっぷり水をあげて、ルーバーに吊るして水切りをします。

玄関土間の続きに目立たない大きな収納を1つつくりました。

キャンプ道具やベビーカー収納することができます。

その先にはファミリークローゼット。あえてコンクリートの躯体はむき出しに。

明るい玄関にしたかったので、
寝室との間はガラスの引き戸とパーティションで軽やかに仕切ることにしました。

北側の掃き出し窓からの光が、玄関側にも漏れ、どこにいても気持ちがいい空気感です。

寝室から見た風景です。
天井はアルダー突板張りにして、木に囲まれた寝室になりました。
さて、最後にディテールについて触れたいと思います!
Nさんの家はあらゆるところで黒い金物が使用されています。

キッチン食器棚の取手(トリノス)

キッチンの取手(ROOFGENERALSTORE)

神保電気の家具コンセントも黒にしました。ちなみにキッチンの木はアルダー柾目突板です。

コンロ脇のレードル掛けはtoolboxのオリジナル商品。

トイレの中も黒で統一。リラインスのペーパーホルダー。

ドア取手はユニオンというメーカのものです。飽きのこないデザインがいいです。

観音開き収納の取手は最近よく使用するB.Pのもの。削ぎ落とされたデザインに共感を覚えます。
家づくりでは様々な金物や器具が出てきます。
色をステンレス・アイアン(黒)・真鍮どれに揃えていくかで、仕上がりの雰囲気も変わってきますので
注目してみてくださいね!
まだまだ語り尽くしきれないのですが、入居後のプロのカメラマンによる撮影も予定しておりますので、
その後の暮らしが始まった様子も追々ご紹介していきたいと思っております。
長文ブログにお付き合いいただき、ありがとうございました。