マンションのリフォーム・リノベーション、新築戸建はハンズデザイン一級建築士事務所|千葉県 船橋市 東京

私たちの家

私たちが今のマンションの住まいを築26年の中古で取得したのは2012年のことです。それからもうすぐ10年が経とうとしています。その間、ちゃんと数えておけば良かったなと思うぐらい、たくさんの皆さんにお越しいただき、住まいをご案内してご説明してきました。私たちの住まいの見学で最もすごいことは私たちの暮らしぶり丸ごと感じられてしまうことです。夫婦二人暮らし、72㎡の風景をご覧ください。

リビングとキッチンの位置関係というのは諸条件からそれほど選択肢はないのですが、私たちの家ではキッチンと玄関が近く、最初は設計上のネックになりそうでした。でも、美しいアイランドキッチンを作って、来客を迎えられるような雰囲気になればどうかというアイディアから、そもそも玄関なんかいらないのではないかという発想に至り、私たちの家を象徴する風景が出来上がりました。幕板はオークのなぐり加工と大谷石、土間は磁器タイルと洗い出し、天井は無垢のタモ30×140のルーバーです。

私たちの家はドアはトイレと浴室と収納にしかなく、全体がズルズルとつながっているワンルームですが、玄関とLDKのあるオープンなスペースとバスルームや寝室のあるプライベートなスペースになんとなくゾーニングされています。風呂上がりや就寝時など裸足になることの多いプライベート側では床を無垢の杉にして、柔らかく温かみのある肌触りにしています。完全に仕切ってしまう壁は極力作らずに、見えたり見えなかったりする関係を意識しながら、風や視線が通る隙間を作っていきます。寝室前は静かなくつろぎスペースでありコキンメフクロウの部屋でもあります。

自分の住まいだからこそやってみたかったハーフユニットの浴室です。明るくて風通しの良い浴室にしたくて元々は和室だった窓際に作りました。欄間やドアにガラスを使って連続感を意識しています。マンションでは大きな柱、梁がスペースのデメリットになることもあり、ハーフユニットバス の自由さが活きてきます。ただ最近はユニットバス も機能やデザインが進化していることや、取り替える必要が出たときの簡単さなどを考えてハーフユニットを積極的にはお勧めしていません。でもすごく気持ちの良いお風呂ですよ。

私たちの家には住まいの端から端まで伸びる一直線の動線が2本あり、行き止まりがありません。視線が通ることで広がりを感じますし、風も光も通ります。朝起きてきたときや、風呂上りなど何気ない室内の移動の時でも、視界が広がるとさりげなく楽しいものです。空調も夏はエアコン1台、冬はヒーター2台で、室内全体の快適な温度を保つことができます。

明るくて開放的なLDKです。アイランドキッチンからの眺めも最高です。大きめの植物はシマトネリコ。2鉢を交代で置いています。植物のグリーンはとても癒されます。
住まいというのは広すぎても狭すぎてもバランスが悪いような気がします。私たちにとって72㎡というのはちょうど良い広さでしたが、壁を作って寝室や玄関などを作っていたら、きっとかなり狭さを感じたはずだと思います。人によっては物の持ち方や暮らし方に変化や工夫が必要かもしれませんが、本当に快適で美しい、多くの人に一度は検討してほしい住まいの風景です。