マンションのリフォーム・リノベーション、新築戸建はハンズデザイン一級建築士事務所|千葉県 船橋市 東京

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寝室には無垢の杉の床を。

11月ともなると、やはり寒くなってきましたね。もうすぐ冬がはじまります。

冬と言えば…

朝、暖かい掛け布団から体を起こし、ベッドサイドに腰掛て立ち上がる時。

夜、寝る前にゆっくり入浴しベッドサイドでつかの間、ほっと熱を冷ます時。

その時、素足が触れる床の感触…

「私たちの家」の寝室の床は無垢の杉のフローリングです。僕自身が実体験として驚嘆し、毎朝のように感激してしまうのが、足の裏で感じる、「杉の床」の最高に気持ちのいい感触です。

合板のフローリングや広葉樹の堅くて重いフローリングは、熱伝導性が良くまた蓄熱をする為に、ベッドから出たときはドキッとするほど冷たく感じるものです。そして、吸水性が小さいので、風呂上がりの足の裏ではペタペタとした感触になります。

それに対して、杉は、人肌のように優しい温感です。柔らかく軽い針葉樹の特性です。また、吸水性が大きいので暖かく湿った足裏で歩いてもサラッとスムーズで柔らかい感触です。

柔らかさの代償として、傷がつきやすいというデメリットがあります。

しかし、寝室であればデメリットはほとんど気にならなくなり、メリットは何倍にも大きくなると思います。

比較的安価で、幅が広く香りのいい、最高のマテリアルが杉です。

是非、寝室には無垢の杉の床を、一度はご検討のテーブルにあげることをおススメします。

Iさんの家のマンションリノベ・千葉県浦安市 マテリアル編

千葉県浦安市で中古マンションのリノベーション工事がはじまりました。

お施主様は、今年の4月に3社コンペというカタチでお声をかけてくださったIさんです。

デザインやライフスタイルに対してご夫婦ともにお考えをお持ちのご家族で、私たちの家にお越しくださり、初めてお会いした時にリノベーション後の住まいの理想像をしっかりとご説明してくださったのが印象的でした。

約半年のあいだ、一緒に様々な試行錯誤を重ねてきました。いろいろな項目と思い出があるのですが、今回は素材のことです。

写真はIさんの選んだマテリアルです。自然素材、本物の素材を中心に、個性の強いマテリアルが選ばれていますが、バランスよく調和していると思います。

一つひとつの細かな解説はまたいつかさせていただく機会があると思います。

そして、下の写真が解体工事前の室内の様子です。

Iさんの選んだ素材たちによって、どのように中古マンションを生まれ変わらせるか…待ち遠しいですね!

住まいの素材のこと

家づくりをイメージする時に、重要かつ楽しいことのひとつが素材を考える時です。

住まいで使う素材、どんなものを思いつきますか?

昔、とある機会に非常に儲かっている住宅会社のショールームに行ってショックを受けたことがあります。たくさんのカタログやサンプルはあるのに選択肢の幅が狭く、ぜんぜん楽しくないのです。「こんなもんでいいだろう…」というような妥協のカタマリを見せつけられたような気分でした。

古今東西の建物を見渡すと「え、こんな素材をこんな使い方で、なるほど!」といものがたくさんあります。地域性があるのですね。昔からその土地に産する良さそうで使えそうなものは何でも使ってきたのだとおもいます。

そう考えると発想次第で何でも使えるということになりますが、まあ…それはそれで困ります。

私は壁や床の素材を考える時に次のように考えています。

1.10メートルぐらい離れたところから全体を見渡す感覚でバランスや相性が美しいこと。
2.2メートルぐらいの距離で日光や照明など24時間の光の中での艶や陰影の表情が豊かであること。
3.20センチぐらいまで近づいて素材の複雑さや物語を発見できること。
4.さわった時の感覚に見た目との違和感がなく自然に受け入れられること。
5.鼻を近づけて香りをかいだ時に安心できること。

自然素材じゃなきゃダメ!…なんていうつもりはまったくありません。

私はタイルが好きですが、立派な工業製品です。素敵なデザインの壁紙も大好きです。コストパフォーマンスのいいビニールクロスも使いたいです。清掃しやすく水に強い樹脂のパネルが必要な場所もあります。金属の強靭さやシャープさが欲しい時もあります。

ただ、そんな中でも先ほどの5項目ぐらいは考えて選びたいなぁと思っています。

そう考えて取捨選択すると、先ほどの住宅会社のショールームに置いてあるカタログやサンプルは10分の1ぐらいしか残らないのではないでしょうか。多くの方がそうやって家づくりをされているのが残念です。

素材はその住まいの暮らし手が選ぶものです。そして「これがオススメです!」と販売をしているわけでもない私が言うのもどうかな…とも思います。なので、私たちの家で使ったものをご紹介しますので素材選びの参考にしていただければと。

・水性のペンキ
天井や壁に塗装します。コンクリート面にも下地シーラーを塗れば使えます。ホームセンターでも指定した色を作ってくれます。誰でも簡単に施工できます。

・黒板ペイント
マグネットペイントとチョークボードペイントの合わせ技です。

・モザイクタイル
名古屋モザイクや平田タイルなどのメーカーが個性的な商品を揃えています。インターネットで探してみるとたくさんあります。

・大判タイル
床や壁に45cm~70cmの大きなタイルもいいです。目地のデザインがキモです。

・チャフウォール
ホタテ塗装と呼んでいます。ホタテの貝殻ともみ殻を主原料とした塗料です。ザラっとした質感もいいです。

・無垢のフローリング
杉の幅17cmの節なしフローリングは圧巻でした。節ありも味があります。一枚ものは床面がすっきりした印象になります。パインや杉は素足の時の温かさ柔らかい肌触りが病みつきです。アメリカンブラックチェリーの幅広UNI加工材も独特の落ち着きがある色味が素晴らしいです。

・無垢のパネリング(羽目板)
壁や天井にフローリングのように木を使う材料をパネリングといいます。杉、青森ヒバ、レッドシダーなど。天井の木は触ることはないのになぜか温もりを強く感じます。

・突き板(ベニヤ)
ベニヤ板というと一般にラワン材をイメージしてしまうかもしれませんが、木材を紙のように薄くスライスし合板に糊できれいに貼ったものをベニヤと言います。ドアや家具に使います。最近使ったのは、タモ、米松、マホガニー、アルダーなどです。実はハンズデザインにあるサンプルだけで50種ほどあります。

・ステンレス
キッチンの天板にバイブレーション仕上げのステンレスをつかました。フラット且つシームレスに仕上げるとかっこいいです。

・シナ共芯合板
切り口にもこだわったベニヤです。家具の天板や棚板に使うと美しいです。

・巾ハギ材
タモや杉など。無垢の一枚板のような上質感があります。カウンター材として。

・無垢造作材
窓やドアの枠に使います。ベイツガ、スプルースなど。

・壁紙
日本メーカーは汚れ防止などの機能性がいいものがあります。珪藻土クロスは機能性はわかりませんが、質感がなかなかいいと思っています。デザインの豊富さやクオリティを考えると輸入クロスが楽しいです。インターネットで探すとたくさんあります。

・耳付きの栗の木
手洗のカウンターでつかいました。木は樹種によってまったく風合いが違うので楽しいですね。耳付きのように不整形なのも味があります。

・ナラの板 名栗加工
無垢のナラ材に釿(ちょうな)で凹凸をつけた独特の陰影と素材感です。

・大谷石 大理石 黒御影石 ライムストーン
石には何とも言えない存在感があります。山の雰囲気が漂うのでしょうか。
かなりザックリした紹介でしたが、詳細はまたいつか。

DIY vol.2 『床のオイル塗装』

新年明けましておめでとうございます。

星名貴子です。

昨年も良いご縁をいただき、今年もさらにたくさんの方とお会いできる一年にしたいと思っております。

さてさて、ハンズの年末からお正月のスケジュールは、

自主施工第2弾!ということで、

『床のオイル塗装』を行いました。

無垢材もいろんな塗装方法があるのですが、

木は常に呼吸をしているので、その呼吸を止める表面に塗膜をつくるような塗装は良くないとされています。

周りの湿度を吸ったり吐いたりしながら、貼られた環境になじむまでに1年ほどかかります。

落ち着く前に表面をコーティングをしてしまうと、木が変な風に沿ったり暴れたりします。

意外とデリケートなヤツなんです。

私たちは、無垢材に浸透して木を保護してくれるタイプの塗料を、今回は塗りました。

自然塗料なので、化学的な塗料の匂いとは違ってやさしい自然な香りがするんです。

住まいと自然素材とリノベーション

住まいと自然素材とリノベーション

社会に出て15年。様々な荒波に揉まれてきました。
その詳細はここでは控えさせて頂きますが、いろいろなタイプの建物や空間の設計を経験してきました。
住まいづくりの経験はまだ5年。毎日が精進です。

住まうところ、暮らすところである「家」。他の建築空間と異なる特徴のひとつは「人との距離」ではないかと思います。だから素材にはとことんこだわる必要があります。
壁に、寄りかかる、絵を飾る。
床に、あぐらをかく、寝転がる。
そのような行動があるのも住まいならではで、その素材の肌触り、吸湿、耐久性を意識します。
「4畳半の個室」のような小さな空間で長い時間を過ごすことも住宅の特徴で、心に働きかける、触れたときの音感、光の反射、香り、色あいまで考える必要があります。

本物とニセモノ。素材による住まいの違いは明らかなのですが、目に見える差がわかりにくいのでだまされてしまうのです。体感すれば絶対にわかるのですが…。
そう考え、私たちの家は体感の場としてみなさんに開放する予定で、現在工事中です。違いは最初に足を踏み入れた瞬間にわかると思いますが、良さはゆっくりくつろいだ頃に感じるものです。コーヒーを飲みながら…ぜひ。

ところで、我が家にはシマリスがいます。名前はグレンといいます。
冬になると椰子の実に穴を開けたお家に、細かくちぎった紙を一生懸命運び込んで眠ります。椰子の実の中は紙くずでパンパンです。きっと暖かいのでしょう。

シマリスにとっての椰子の実が、人間にとってはマンションのコンクリートの箱なのです。無機質で冷たい…。
そして、現在作られているマンションは新建材といわれる化学物質でできた材料をこの無機質で冷たい箱の中につめこんで出来ているのです。
シマリスの椰子の実に化学物質がぎっしり入っていたら…ぞっとします。

私はコンクリートの箱だからこそ、その中には人と環境にやさしい自然な素材を使いたいと思います。
これはけして贅沢なことではありません。コストも大きく変わらない…ではなぜ新建材ばかり使われるのでしょう。長年の工業製品をつくるメーカーの宣伝やエンドユーザーの認識違いや誤解によってここまで来てしまったのかもしれません。

日本には豊富な森があります。国産の杉は香り、肌触りとも住まいにマッチした素晴らしい素材です。また、森に植林された木を使ってあげることで山は整備され、山林災害を防ぐことにもなります。

もう一度本物の木の良さを多くの方々に知ってもらい、住まいの中に戻していきたいと思っています。