マンションのリフォーム・リノベーション、新築戸建はハンズデザイン一級建築士事務所|千葉県 船橋市 東京

ブログ完成見学会

ブログ見学会「根津の家」

こんにちは!先日の見学会のご報告です。

天気も良くて2日間で25組の方がご参加くださいました。
皆様、ありがとうございました!

さて、恒例のブログ見学会です。

文京区根津の築15年65㎡のマンションです。経緯など「こちらのブログ」もご覧ください。

このマンションは変形のL型で中庭のようなルーフバルコニーが最大の特徴でした。斜めに振られていたため設計は苦労しましたが、ダイナミックな雰囲気になっています。

玄関ドアをあけると透明感のあるガラスの部屋を通して中庭テラスとその向こうに空が見えます。撮影の日は少し曇り空の条件でしたので写っていませんが、本当にスカイツリーがみえます。

壁は玄関まわりだけ一部左官仕上げ、他は全てホタテ塗装です。

I邸では造作にアルダーの無垢を選びました。桜に似た赤味がかった穏やかな木目の美しい木です。この下足入れではカウンター、扉ともに無垢で作っています。真鍮のつまみは「かなぐや」のもの。

土間にある引き戸はトイレのドアです。下足入れにデザインと仕上げを合わせています。

トイレを使うときはお店のように草履に履き替えます。これによって土間に広がりが生まれます。土間は小さな石のモザイク貼りで石畳のような雰囲気です。上框は杉無垢材の一枚ものをカーブ状にカットしています。

このトイレにはさらに特別感が加わっています。それがこのステンドグラスです。Iさんがご近所の谷中にある工房「nido」さんに注文したものです。月のモチーフが神秘的です。なぜかいつもトイレのデザインは力んでしまいます。トイレだけに。

名栗加工のアルダーのカウンター。ランプの光で陰影が素敵ですね。壁を彫り込んだところにステンドグラスが埋め込まれています。とても印象的で特別な雰囲気のトイレ空間です。

玄関から右を向くとオープンなリビングとキッチンのスペースです。

キッチンはオリジナルで、アルダーと大谷石、ステンレスのバイブレーション、ハンドルは真鍮製(かなぐや)です。

キッチンは住まい手の暮らし方が出やすいですが、本当にIさんらしいな、と思います。洗剤やスポンジはトレーにのせてオープンなポケットに置きます。ざるなど湿気が飛びにくいものを収納する場所はルーバー状にして通気が取れるようにしています。

作業台はアルダーの無垢、壁はモルタル左官です。コンロまわりのみステンレスカウンターと壁もカラーガラスにしています。魚焼きグリルの無いコンロはとてもすっきりしています。カウンター下は元から使っている家具を置く計画です。本当にシンプルです。背の高い収納部には給水タンクと炊飯器が置かれ、その奥は冷蔵庫スペースとパントリーがあります。

大谷石の独特の存在感です。家具が当たらないようにつけた木製の横桟がアクセントになっています。

モルタルの淡いむらのグラデーションが穏やかな表情です。

Iさんがお持ちの家具に合わせて繊細な雰囲気の飾り棚を造作しました。モルタルの壁に木の優しさが際立ちます。

床は杉の無垢フローリングです。独特の明るい雰囲気で大谷石との相性はバッチリです。

中庭テラスに面した縁側スペースは四方をレッドシダーの羽目板で囲んでピクチャーウインドウのようにしています。居心地良さそうな雰囲気、伝わりますよね。

通風のために窓を開けることが多いので、猫が外に出ないようにアルミのエキスパンドメタルの扉を設置しました。その隣のルーバーパネルは室外機隠しです。

アトリエはご夫婦が趣味で革小物やフラワーアレンジなどをするための作業スペースです。小さな窓のある小さな壁で少し奥まった雰囲気の落ち着く小屋のような場所になっています。小さな窓ひとつで変化が生まれるのでおもしろいですね。

この可動棚の下に作業台を置きます。小さな窓で切り取られる風景が面白いです。

浴室はハーフバス(TOTO)です。壁はタイル、天井はレッドシダーです。

シャワー水栓はフォンテトレーディングです。普通ならシャワー水栓が付く場所には、屋外用の散水栓をつけて中庭テラスの水やりホースをつなげるようにしています。

引き違いの内窓はピーラー(米松)を使っています。

ガラスドアは造作で、ステンレスの敷居も特注しました。それにしてもスカイツリーの眺めがすごいですね。

洗面は周囲にゆとりをつくって置き家具を使うことにしています。仕上げ検討でなかなか決まらなかったのが、水まわりのタイルですが、浴室、洗面の床、壁ととても調和がとれていました。よかったです。

見学会にこられた多くの方々はとても感動してくださいましたが、同時に収納などの機能部のシンプルさと少なさに驚いている方も多かったようです。誤解のないようにしておきたいのですが、Iさんと私たちはしっかりと検討を重ねています。Iさんにとっては、このシンプルさこそが大切だったということをご理解いただければと思います。オーダーメイドで住まいをつくると住まい手の意識が反映されるということですね。

実際に暮らしが始まるとガラッと雰囲気が変わるので、私たちはとても楽しみにしています。Iさんにも撮影許可をもらっていますので、皆さんもお楽しみにしていたくださいね!

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