マンションのリフォーム・リノベーション、新築戸建はハンズデザイン一級建築士事務所|千葉県 船橋市 東京

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船橋のSさんの家ブログ見学会

こんにちは!

昨年の秋に行ったSさんの家の見学会のブログ版です。すっかり遅くなってしまいました。

船橋市の築18年69㎡のマンション、4人家族の住まいです。便利な立地にたつコンパクトなマンションです。

コンパクトな中に子供2人のプライベートなスペースと主寝室を確保しつつ、できるだけ明るく伸びやかな住まいにすることが課題でした。プライベートなスペースが多いと自然に閉鎖的で暗い方向になってしまうからです。

そこで、できるだけ連続するように、また透明感のあるようにすることを心がけました。

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玄関ドアを開けると正面の大きな乳白色の窓から明るい光が迎えてくれます。この窓の向かう側は主寝室で、その先にある窓からの外光を玄関まで届けています。

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玄関の柔らかい光の雰囲気です。この窓がなく、壁だったとしたら全く異なる雰囲気だったでしょう。室内から室内への窓でも、光や風、気配を届ける効果は十分にあります。また、窓の大きさ、ガラスの種類、開閉の方法などによって効果を調整することができます。

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玄関の上がり框。実は私たちがいつも慎重になる場所です。あまり境界線を感じさせないような、さりげなく出入りできる感じが理想的だと思っています。

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リビングへの引き戸。冬や夏の一番厳しい時期に空調範囲を狭めるためのドアですが、閉めているときには少しアクセントになるようなデザインにしています。

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普段は必要がないので壁の中へ。

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日差しがたっぷりと差し込むダイニング・キッチン。アイランドキッチンの隣にダイニングテーブルを置く予定です。2列型のキッチンは配置的にコンパクトでありながら、動きがとても自由です。キッチンの左手奥は家族のクローゼットスペースと洗面室など、家事の動線が続き、玄関へとループしてつながっています。濃紺の壁の中はユニットバス。その周りを一周できるプランです。

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ルーバーや名栗、タイルなど様々な素材の陰影と艶がとてもいい味を醸し出しています。キッチンのカウンターに使っている4mm無垢のステンレスがさりげなくいい仕事をしています。

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キッチンなど水まわりの床はフロアタイルと言って、厚さ3mmの塩ビのタイルです。土足OKな丈夫さと、適度な弾力性があります。手間がかかりますが目地棒を入れことでぐっと表情が良くしています。クッションフロアとは違いますよ。

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ナチュラルな雰囲気ですが、性能はハイスペックです。忙しい現代人に必須の食器洗い機はASKO製です。

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キッチンの収納です。片引き戸になってます。上部の白いルーバー内部にエアコンを設置します。

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子供スペースの壁に少しアクセントの遊びを入れてみました。向こう側にはロフトベッドがあって、リビングを上から覗けるようになっています。

左上のライティングレールには写真のようなフックの部品もあり、植物をハンギングしたりと楽しく使えます。ちなみに、植物を吊っている長い針金のことを「駄鉢掛け」と言います。名前がわからなくて探すのに苦労した経験があります。

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フローリングの一部が外れて、下からコンセントとLAN配線が出てきます。フローリングはチークの無垢です。

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主寝室の片隅には机が置かれてちょっとしたワークスペースになる予定です。そう、ここが玄関正面の裏側です。右の引き戸上部と天井の間は、天井裏の収納スペースになっています。年に一度だけ使う大きなものってありますよね。

船橋のSさんの家のブログ見学会は以上です。いかがでしたか?

見学会にご参加いただいた方々は大きなことから細かなことまで、こんなこともできるんだ、こんなやり方もありなのか、と様々なヒントを見つけてくださっていたようです。

本当の空間も体験しにぜひお越しくださいませ。

ではまた。

床のこと-第3回

こんにちは。今回は水まわりの床についてお話しします。

床のこと-第1回:床の作り方  http://www.hands-a-design.jp/blog/4007.html
床のこと-第2回:フローリング http://www.hands-a-design.jp/blog/4019.html

水や液体による汚れに強い、という理由で私たちが使っているのは、フロアタイルとタイルです。どちらも染み込まないので簡単に拭き取ることができます。フロアタイルもタイルも耐薬性が強いのでお掃除は簡単です。

フロアタイルというのは3mm程度の厚さの塩化ビニルのタイル状の素材です。しなやかに曲がる素材ですが、弾力性はなくとても丈夫です。土足でも大丈夫ですので、店舗や事務所などの床に使われています。似ているものにクッションフロア(CF)というものがありますが、全く違うものです。クッションフロアは弾力性があり手で破れるぐらいとても柔らかいです。フニャフニャした感じがあまり好きではないのでハンズデザインでは使っていません。
フロアタイルいろいろ
これがフロアタイルです。実はもっとたくさん種類がありますが、基本的に塩ビに着色やプリントしている建材ですので、できるだけニュートラルな表情のものだけを選抜しています。
ハンズデザインがおすすめしている貼り方は目地棒を入れて施工します。質感が引き立ちます。
目地入りフロアタイル

フロアタイル施工例

タイルには様々な種類がありますので、水まわりの床では、吸水率の低いタイルを選びます。また、目地は掃除がしにくいので大きめのタイルを選ぶことが多いです。
タイル素材
タイルはとにかく硬くて丈夫です。でもあまりにも硬いので、タイルの上に落としたものは、壊れる可能性が高いです。
お皿はもちろん割れますし、金属製のものも凹んだり折れたりします。
それから、とても冷たいです。暖かい季節はいいのですが、冬は素足では歩けません。何かを履くか床暖房を入れる必要があります。『私たちの家』でも電気式の床暖房を入れており、真冬の時期は助かっています。
それでもやはり、タイルには本物の質感があります。選択肢も多いのでデメリットを理解していただければ、是非おすすめしたい素材です。

キッチンタイル-2 キッチンタイル-1

水まわりの床がフローリングと接する場所が必ずあります。無垢の木と並ぶので下手な素材を選んでしまうと、とてもおかしなことになってしまいます。ハンズデザインでは、キッチンが中心になることが多いので特に気をつけてご提案しています。
キッチンが中心

最後に番外編として、土間の床についてお話しします。

土間の床も水まわりと同様、様々な汚れが持ち込まれる場所です。ハンズデザインでは今のところ、タイルと石をご提案しています。ハンズデザインの事務所でモルタル床にコンクリート用ステイン塗料を塗った雰囲気もなかなか良かったので、ご提案してみたいなと思っています。土間ですので、清潔感というより泥汚れに負けない強さと風合いを重視することが多いです。
私たちの家の土間
上の写真『私たちの家』
Sさんの家土間
上の写真『Sさんの家』

床のこと-第2回

こんにちは。
床のこと-第1回(http://www.hands-a-design.jp/blog/4007.html)に続きます。
今回はフローリングについてお話しします。

フローリングには大きく分けて2つあります。
それは無垢フローリングとそれ以外です。

私たちは今のところ、基本的に無垢フローリングだけを使っています。
その他のフローリングについても、興味を持っていろいろ情報収集はしていますが、結局いつも無垢フローリングにたどり着きます。

無垢フローリングを使うのは、失敗のできない部分だからです。
新しい素材、建材を信用していないのかもしれません。
実際にいろいろな理由で使いにくいのです。

無垢以外のフローリングの代表格が、直貼用遮音フローリングです。
遮音フローリング
遮音マットを曲げると
本当にフニャフニャしていて、歩行感がフワフワしているので、なんとなくフローリングと呼ぶのも違和感があります。木質クッションフロアと言ったほうがしっくりきます。突板を使っている美しい商品もあるので、ハンズデザインでもどうしてもコンクリートスラブに直接フローリングを使う必要がある時には、使用します。

そして、下の写真が無垢フローリングです。
さまざまな無垢フローリング
木によって本当にユニークな特徴があり、簡単に説明することはできません。私たちは実物を触っていただきながら、少しずつ理解を深めてもらうように心がけています。今回は良く質問を受けることについてお話ししてみようと思います。

私たちの家では、アメリカンブラックチェリーのUNIタイプを使っています。広葉樹は真っ直ぐに育たないのと、成長が早くないので、長い一枚物に付加価値がつきます。そこで、工場で短い材料3枚程度をつないで2m程度の一枚のフローリングにします。
ABチェリー無垢床
これがUNI部分の写真です。木目や色が急に変わっているのがわかりますね。触っても継ぎ目はわかりません。フローリングとフローリングの目地は以下の写真です。
ユニ継ぎ目
UNIは樹種によって気になることもありますが、時間が経つと馴染んできたりします。

私たちの家では、杉の節なしも使っています。
杉は節が黒くはっきりしているので、苦手としている方も多いですが、節なしや上小節を選ぶと気にならなくなります。杉のいいところは、幅の広い長い一枚物が手に入りやすいことです。柔らかく傷がつきやすいデメリットを理解していただければ、お勧めできる材料です。
Iさんの家の杉床
無垢フローリングは、天然のオイルを塗装し、蜜蝋ワックスで仕上げます。現場で塗装することも、すでに塗装されている材料を使うこともあります。
私たちがよく使うのはドイツの自然塗料で、プラネットのハードクリアオイルです。
プラネットハードクリアオイル
オイルは木材に浸透して、自然な木の色味を出し、汚れの浸透を予防してくれます。さらに蜜蝋ワックスを塗装すると、木の表面をコーティングして、木材に直接汚れが付着することを防ぎます。木が汚れるのではなく、ワックスが汚れていることになります。

間違って汚してしまった時、ゴシゴシこすると汚れと一緒にワックスがはがれます。乾くとまわりに比べてカサカサとしてツヤがなくなったように見えると思います。剥がれてしまった部分には、ワックスをもう一度塗る必要があります。

蜜蝋ワックスはバターのような感じです。僕なんかは昔、野球の革のグローブに塗っていたオイルを思い出します。さっと塗って、しっかり拭き取ればいいだけです。
蜜蝋ワックス
全体的なメンテナンスは、人によって違うようです。やればやるほど、いいとは思いますが、やらなかったからすごく悪くなるというものでもないと思います。

普段のお掃除は、掃除機とたまに水を固く絞った雑巾ぶきです。ドライのクイックルワイパーなどもいいと思います。我が家はルンバ君にお願いしています。
ルンバ君

私たちが無垢フローリングに落ち着いている理由の一つが、無垢フローリングがフローリングであると同時に木材でもあるということです。
引き戸などで、上吊レールにしない場合、フローリングを加工してレールにしたり、加工して見切り材にしたりすることができるのも、無垢材料ならでこそできる技です。
フローリングに建具レール加工
名栗加工や溝加工で表情をつけることができるのも無垢ならではの楽しみですね。
Sさんの家スロープ
Sさんの家スロープうえから

リノベーションの間取りから考えること

毎回、工事が終わると手描きの間取り図をつくり、プランのポイントをまとめる作業をします。どんなことを考えてきたかを客観的に見るいい機会になっています。

Tさんの家:全て開くこと、つなぐことを最初に確認しました。
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リノベーションの場合には元々の間取りや暮らし方の存在があります。全く違う住まい、暮らしが同じ場所に出現する「変化」には驚きがあります。

しかし、ビフォーからアフターへと間取りが大きく変わったということ以上に、探してもどこにもないユニークな住まいと暮らしが次々に生まれてきた事実にもっと驚かされます。

場所を考える時に、閉じるか開くか、または切るか繋ぐか、その判断の繰り返しで住まいと暮らしのカタチは大きく変わっていきます。重要な判断です。

その判断の中心には住まい手がいます。私たちが質問をして、住まい手であるお客様が考えて判断して答える、その繰り返しです。

例えば、「寝室は閉じますか、開きますか?」そんな具合です。

この何気ないような問題について、結論を急がずに考えます。正解はないです。私たちも正直に考えをお伝えし、参考として様々な可能性を示しながら一緒に考えます。

Oさんの家:全て開いてワンルームに。北側の共用廊下に対しては閉じることにしました。
Oさんの家間取り
当事者のお客様と私たちにとっては、こうした判断のもとに徐々に出来上がってくる住まいのカタチは必然的なものです。しかし、客観的に見た時には、どうしてこんな変化が可能だったのかという驚きがあります。
Iさんの家:浴室を開くことを決めたことでプランは大きく変わりました。
Iさんの家間取り
私たちとしては、目新しい住まいを考えてやろうとか野心的な発想は持っていないつもりです。ただ、先入観と既成概念を排除し、常に新鮮なイメージでいようと心がけています。

その中で、探してもどこにもないような住まいが現れてくるというのは、住まい手の存在がとてもとても大きいのです。判断の根拠は、これまで生きてきた中で現れた気持ちなのか、海外での暮らしやホテルや旅館など非日常の中で得た経験なのか、それは人それぞれだと思いますが、千差万別です。

Sさんの家:寝室を閉じることで、他の部分を開放的にしています。
Sさんの家間取り

住まい手が、既成概念にとらわれずに「私たちはこうする」と判断してくださるところから新しい暮らしの風景が生まれていきます。

新築マンションという住まいの形の一つの時代が終わろうとしているのに、私たちの家のまわりは、今さらのマンションの建設ラッシュになっています。何百世帯もの住まいが建設中で、そのポスターや広告チラシを毎日のように目にしています。そこにはあまり誰も期待していない、版を押したような住まいの間取りが印刷されています。

同じものを効率良く大量に作って売るというやり方です。リノベーションでも同じ価値観で行えば、同じように効率良くたくさん作るということが起こるでしょう。すでに、そのような事例は見受けられます。

新築マンションの時に存在したニーズがリノベーションに置き換わったということです。「簡単に」便利で綺麗な住まいを手に入れたいというニーズです。効率を重視する売り手側の都合にも合致して今後増えていきそうです。

私はそれを少し心配しています。リノベーションの意義が失われていくように映ります。

私たちハンズデザインは住まい手が中心にいる住まいづくりを続けていきたいと思います。簡単にではなく丁寧に、必然的でありながらユニークな住まいをご提案していきたいと思います。

床のこと-第1回

こんにちは。
マンションリノベーションの住まいづくりについて、特に床のことを数回に分けてお伝えしようと思います。

第1回は、床の作り方についてお話しします。床の素材を検討するときに、しっかりと理解しておく必要があります。簡単に言うと「遮音」と「段差」によって床の作り方が決まるというお話です。

マンションの場合、下の階への騒音を防止するために、管理規約等によって床材料等の遮音等級が定められています。定められていなくてもトラブルの原因になりますので、遮音には気を配る必要があります。中古マンションを探している場合には、規約で定められていないマンションは避けたほうがいいです。

遮音する方法は3通りあります。
A. コンクリートスラブに直接、直貼用合板フローリングなどにする。
B. 遮音マットを施工して、無垢フローリングなどにする。
C. 乾式二重床・置き床を施工して、無垢フローリングなどにする。
どの方法も遮音試験データがあるものを使います。

ちなみに下の写真の右が直貼用合板フローリング、左が無垢フローリングです。
フローリング比較
これが遮音マットの施工風景。
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そして乾式二重床・置き床の施工写真です。
置床工事詳細
置床工事-1

また、遮音対策以上に床の作り方に影響するのが段差です。

マンションを解体してスケルトンにすると、コンクリートスラブはガタガタしていたり、大きな段差があったりします。
スケルトン
どんなところに段差があるかというと、ひとつがフローリング、畳、クッションフロアなど元の床の仕上げが違う部分です。なぜ段差があるかというと、素材の厚みが違うものを並べて平らに仕上げているからです。フローリングは12~15mm、クッションフロアが2.5~3mm、畳は40~60mm程度です。もうひとつが、水まわりの配管をするスペースを確保するための、100~200mm程度のもっと大きな段差です。

たとえ3mmでも段差があれば上記Bの遮音マットでの施工もAの直貼用合板フローリングの施工もできません。また、古いマンションでスラブが大きく波打っている時も、遮音マットによる施工はできません。平らにする方法が全くないわけではないですが、手間とリスクが高いためハンズデザインでは採用していません。

こうした理由から考えると条件によって大雑把に次のような選択肢があることになります。

間取りを変更せず、無垢フローリングにする場合→BまたはC
間取りを大きく変更する場合→C
元が乾式二重床・置き床の場合→C
元が直貼用合板フローリングで間取りも仕上げも変更しない場合→A

ハンズデザインは、無垢フローリングを使いますのでBまたはCで施工します。間取り変更を行うことがほとんどですので、Cの乾式二重床・置き床の場合が多いです。Cの方法なら、無垢フローリンングの他にタイルや石を検討することもできます。

Cの乾式二重床・置き床にもデメリットはあります。少なくともスラブから84mm程度の仕上厚さが必要になります。元が乾式二重床・置き床の場合はあまりデメリットにならないです。元がコンクリートスラブに直接、直貼用合板フローリングだった場合、床から天井までの高さが8cm以上低くなります。
床を上げることで天井が低くなってしまう場合、天井を取って高さを確保します。

ちなみに、元が直貼用合板フローリングかどうかは、歩いた時にフニャフニャ、フカフカした感覚になる床がそうです。

最後にリノベーション前の住まいに床暖房がある場合について、ご質問が多いのでお話したいと思います。ほとんどのマンションで採用されているTESなどのガス温水式の床暖房についてです。

ガス温水式床暖房は、給湯器と一体になっている熱源機とそれとチューブで結ばれている温水パネルによってできています。熱源機は、古くなければ再利用が可能ですが、温水パネルは再利用で行きません。フローリング材とボンドで接着されていて、非常に壊れやすい構造のパネルですので、床の解体時にどうしても壊れてしまいます。

リノベーション後も床暖房を採用する場合は、新規に施工することになります。これからご説明する無垢フローリングやフロアタイル、タイル、石などでも対応しているものがあるので床暖房を採用できます。もちろん、熱源機をそのままにして、床暖房を採用しないこともできます。マンションは暖かく、素材の選択肢が増える事や大きなコスト減になるメリットがあるため、不採用になるケースも多いです。

今回はちょっと小難しいお話になってしまいました。実はいつも説明に苦戦しています。床は面積が大きいから仕上げを選ぶ時に一番大切にしています。また、歩いた時の感覚や段差の有無、天井までの高さも重要な話題です。